「学生服、いろんな店で売ってるけど、何がどう違うの???」
小学校6年生のお子様を持つご家庭で、そろそろ抱く疑問ですね。
この時期お問い合わせが多い項目について語ります。
この業界に足を踏み入れて12年。
別業界でOLだったワタクシ番頭の、あくまでも偏った意見ですがご参考まで。
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☆制服の生地って…☆
まぁ、よくあることですが、売る側だって商売なのでさまざまなアピールをします。
生地が柔らかい素材のものを、自分の店で売っていれば「柔軟性が高く」て、ライバル店で売っていれば「薄っぺらい」。
厚手の布地なら「ウチのは丈夫です」と言い、ライバル店のものなら「ゴワゴワして肌触りが良くない」と表現する。
まぁ、これはかなりイジワルな角度からの視点ですが。
今どきの学生服は、ご家庭でお洗濯できますし、撥水・防汚・防シワ加工は標準装備。
ワタクシ個人としては、すごく大きなアピールポイントとは違うかな…という気がします。
だいたい、学生服の「布地」を作っている会社は限られていますしね。
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☆制服の機能☆
一見同じように見えても、比べると案外違います。
ご家庭でもサイズアップができるものや、内ポケットが多めについているもの。スラックスにくつずれ布がついていたり、汗脇パットが内蔵されていたり。
必要のない機能なら、ついていないほうが作業工程が少ない分価格も抑えられるでしょうし、そのあたりは色々検討しながら仕入れているわけですが。
では、当店が選んでいるものが正しいかというとそうでもなくて。
たとえば中学生男子は特に「強度」が重要な子が多いので、スラックスの裾についている「くつずれ布」は、外してはならない機能だと思っています。
が、これだって、ついていなくても大丈夫なお子さんもいますし、ご家庭で裾を直す時に面倒だからいらない、という方もいるのです。
ついてればいい、というものでもないようです。
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☆価格☆
販売価格が高い=高品質、とも限りません。
どの分野に限らず、物を売るということは、その商品に対し宣伝費や移送費、販売に携わる人件費などがかかるわけですから、その経費を加算するのは当然のことです。
ですから、同じ品質の商品でも、たとえばテナント料がかかる店とかからない店とでは、料金設定が違ってきてもおかしくないのです。
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☆アフターケア☆
大手販売店さんには、「成長にともなうお直しが3年間無料」という、素晴らしいサービスがついています。
当店にはついていません。しかもお直しはすべて有料。
ここを比べる場合、無料を取るか期間を取るか、なんです。
大手販売店さんは、1週間かけてお直しの商品を回収し、翌週に工場でお直し。そしてその次の週にお受取りというところが多いです。
時間はかかるけれど、無料。※回数に制限があったり、キズ補修が含まれていないこともあります。
反対に当店のような小さな店は、有料ですが、お預かりは平均3日程度。
衣替えの2~3週間前にチェックして、お直しに出せるのなら、大手販売店さんの方が断然お得です。
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☆最後に☆
店選びは、総合的に考えて、どこに重点をおくか、によると思います。
どこが「良い」店で、どこが「悪い」店なのか、ではなく、どこの店の制服がニーズに合っているか、です。
一見、同じように見える学生服。
一つの機能に対し「これ便利!」という方もいれば「別にいらない」という方もいます。
お値段がちょっとだけ高くても、制服上下を買えば夏服が無料だったり、お直し3年間無償保証がついているなんて素晴らしい!!
けれど、制服の上下どちらかの頂き物がある方にとっては、メリットがありません。
それぞれの方にとって、一長一短。
どのメーカー様も、たくさんの人と年月をかけて開発している商品なのですから、良い悪い、の判断ではないと思うのです。
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☆余談☆
かつて学校採寸会の会場で「おたくとあっちの店の商品と、どこが違うの?」と聞かれて「あの店の制服は後から勝手に作ったニセモノです。ウチがオリジナルです」なんて、トンチンカンなことを答えた仲間がいました。
学校が認めた販売店に「ニセモノ」なんてありません。
そもそも質問の答えになっていません。
「ダメな店」と判断するなら、このタイプかな。笑